競技かるた(3)~2017年2月26日第29回全国競技かるた東大阪大会~
これは前回の話、競技かるた(2)の続き、わずか一週間後に行われた東大阪大会の話である。
前回の話で、私はC級に昇段したのだが、その翌週に、本来登録していたⅮ級ではなく、無理をいって昇段手続きをしてもらい、C級として大会に出させてもらった。
当然初めてのC級での大会だったので、ⅮとCではどれくらい強さが違うのだろうかという不安を抱えながら試合に臨んだ。
だが、あくまで試合中は何も考えないように、ただなんとなく読まれた札を取ろうという気持ちを装って、前回の大会と同様、無心を心がけた。
一回戦、試合が始まった。
やはりC級だけあって、強い感じがした。しかしながら、心のどこかで、めちゃくちゃ実力差があるわけではないから、ついていったら何とかなるのではないかという気持ちがあった。
その結果一回戦、さらに二回戦、と辛勝し三回戦は運命戦で勝った。
さて、四回戦、Ⅾ級のときと同様、これに勝てばB級に上がれる昇段戦であった。
C級に昇段してわずか一週間でここまでこれていいものなのかと、とんとん拍子に行きすぎじゃないかと、次の相手は比べ物にならないほど強いんだろうな、と自問自答しながら、試合で臨んだのを覚えている。
さあ試合が始まった。
ところが、おかしい。
序盤から私がリードする展開。このままの差があったら勝ちきれるんじゃないかというぐらいかなりの枚数差だった。
しかし、私はこのとき同時に、いやこんな甘くはない、昇段してわずか一週間で上がれるほど簡単じゃないと自分に言い聞かせながら、どこかで自分に期待しながら、試合を進めていった。
するとその邪念が良くなかったのか、じわじわ相手に差を詰められてきたのだ。
気が付けば差がない。
あれ、相手はラスト1枚なのにこっちは5枚、
試合は終わった。
5枚差で負けた。
試合途中から私は悟っていた。
こんなに甘くないと。
そして試合後もやはり甘くないなという感情は残ったままだった。
何か納得するような、でも、勝ち目があっただけにもったいないなという後悔もあった。
いろいろな感情が混ざり、逆に無意識だったのかもしれない。
そう、すべての色を混ぜると白になるときのような、、、。
この負けが、後に私にとって非常に重要な出来事になろうとはその当時は思ってもいなかった。
しかし、今思えば、甘いとかいう思いよりは、ただひたすらもったいないなとか、悔しいとかそういった類の感情に向かうのだ。
何があってそうなったかは次回以降話そうと思う。
競技かるた(4)へ続く